テスラ上海の新工場が稼働「Megapack」の初出荷も開始
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テスラ上海の新工場が稼働!「Megapack」の初出荷も開始

2025年2月11日、テスラの「上海エネルギー貯蔵スーパーファクトリー」が正式に稼働し、最初の「Megapack」が出荷されました。この工場は、テスラが米国外で初めて建設したエネルギー貯蔵施設であり、2024年5月に着工してわずか7か月で完成。

6年前、テスラは上海に車両工場を設立し、中国のEV市場を大きく揺るがしました。今回は、エネルギー貯蔵の分野で同じような影響を与えるか、巷では注目が集まっています。

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「Megapack」とは?

「Megapack(メガパック)」は、アメリカのテスラ社が開発した、発電所や電力会社用の巨大な蓄電池(バッテリー)です。

風力発電や太陽光発電は、風が吹かない・太陽が出ていない時間帯には発電できません。そこで、電気をためておけるバッテリーが重要になります。Megapackはこの役割を果たし、発電所や電力会社が余った電気を蓄え、必要なときに供給できるようにするのです。

普通の家庭用バッテリー「Powerwall」と比べると、約300倍の電力を蓄えられます。

テスラ、エネルギー貯蔵事業に本格参入

テスラは電気自動車だけでなく、再生可能エネルギーと蓄電技術にも力を入れています。2023年の決算によると、エネルギー貯蔵事業の年間設置容量は31.3GWhに達し、前年比114%の成長を記録。さらに、この事業の利益率は26.17%と、EV事業を上回る高水準です。

需要の増加に伴い、「Megapack」の供給が追いつかない状況が続いていました。特に海外市場では、再生可能エネルギーのコスト競争力が高まっており、大型蓄電システムの需要が拡大中です。こうした背景から、テスラは上海での生産能力を強化する決断を下しました。

新工場では、年間1万台の「Megapack」を生産予定で、その貯蔵容量は約40GWhに達する見込みです。

上海の驚異的な建設スピード

今回のニュースを聞いて、2019年のことを思い出した人も多いと思います。当時、テスラ「Model 3」は世界の自動車市場で大きな注目を集めていたにも関わらず、米国工場の生産能力はこの急速なマーケット拡大に追いつけない状況でした。そんな中、上海政府とテスラは電撃的な協力関係を発表し、「着工、竣工、稼働を同年内に完了」する驚異的なスピードで工場を完成させました。

今回のエネルギー貯蔵スーパーファクトリーもまさに6年前と似た状況にあり、再び上海を選択したテスラは、わずか9か月で工場を完成させました。

このスピードの背景には、上海市政府の強力なサポートがあります。

例として、建設サイトの西側には工場と外部道路を隔てる「南奉界河」が存在しましたが、初期の都市計画では橋が設置されておらず、通常ならば新たに橋を建設するには1年以上の承認手続きが必要でした。それを、行政のプッシュにより納期を大幅に短縮して2本の橋を完成させたのです。

また、上海は港湾設備が充実しており、製造・輸送の面でもテスラにとって理想的な立地です。こうした環境が工場建設の加速に大きく貢献しています。

テスラと上海、エネルギー革命への協力

2019年の車両工場建設では、テスラが中国市場を活性化させる役割を担いました。しかし今回は、テスラと上海が「共に成長する道のり」を歩んでいるように見受けられます。

中国のエネルギー貯蔵産業はすでに世界トップクラスの水準にあり、テスラもその産業チェーンを活用することで、さらなる競争力を獲得できるでしょう。一方で、上海はテスラの技術と投資を通じて、エネルギー産業の高度化を図っています。

今後、上海臨港は「自動車都市」から「エネルギーハブ」へと進化し、世界のエネルギー転換を支える拠点になっていくかもしれません。

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